君の左手が気になるのは、なぜだろう?
「はいはい、予習してるんだろう。
訳す、訳すー!」と佐々木。

先頭の子が訳し始めた。
私たちは前から5番目だ。


―どうしよう?


次の子の番になった。


―どうしようって、なによ私?


3番目の子が、立ち上がった。
しどろもどろで訳す。

「予習してないな」と佐々木。
黒板で解説を始めた。



―関係ないじゃん。
 関係ないし。


「この構文は大事だよ。
みんな、リピート・アフター・ミー! 」
と佐々木。

なんだかうわの空で
よくわからない英語をくちずさむ。
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