君の左手が気になるのは、なぜだろう?
放課後。

昇降口。

なんか、言いようのない
疲れを感じながら
ため息をついた。


(「今のところ、もう一度
説明してください…」)

私の質問の最中に、
英語の授業は
チャイムがなった。

アイツは、
授業終わりの号令で
ようやく寝ぼけた顔をあげた。


何にも気づいていないのだ。
それがひどくムカツイた。


思い出して、
またため息をつく。


「なんだか、バッカみたい…」

そう一人つぶやいたとき
後ろから男子たちの声が聞こえた。

「押すなよやめろよ、言うから!」
とアイツが現れた。
ユニフォーム姿だった。
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