お嬢様の執事
新しい執事は…
「ピピピピ…ピピピピ…ピピッ【カチッ!】」
『ふぁあ……んーっ…今何時ぃ…』
カーテンの隙間から朝日が差し込む。
目覚まし時計を確認すると時刻は八時を指していた。
『なんだ…まだ八時……寝よ。』
眠気で重たい目を擦り、楓は眠りにつく。
ん…?八時…?
『……ぅわぁぁぁぁあ!!』
叫び声をあげ飛び起きる。
「おはようございますお嬢様」
部屋の入り口には燕尾服に身を包んだ篠原が…
『ちょっと篠原!なんであたしを起こしてくれなかったのよ!』
「起こしましたとも。しかしいくら呼び掛けてもお嬢様が起きなかったものですから変わりに目覚まし時計を置いといたので…『遅刻するじゃないの!』」
って違う違う!朝からこんなことしてる場合じゃないっ!
『篠原!急いで学校へ急ぐわよ!』
「お嬢様、朝ごはんはどうなさ…『そんな暇ないわ!』」
篠原の言葉を遮り私は制服に袖を通す。
紺色のブレザーに赤いチェックが映えるリボン
『よしっ!』
「行ってらっしゃいませ楓お嬢様!!」
玄関にはメイド・執事が並びあたしを送り出す
『行ってきまーす!』
リムジンに乗り込みあたしは篠原にこう注文する。
『篠原、大急ぎで学校に向かって頂戴!』
「かしこまりました。」
向かうはあたしの通う【星華学園】
遅刻なんてしてられないんだから。