ビー玉
そんな祖母の家の中で唯一あたしが好きだった場所。









それは庭に面した板張りの縁側だった。












暗い家の中でその縁側だけはいつもぽかぽかと暖かくきちんと乾いていて、







そこから見上げる太陽はどこまでも高く、眩しかった。














あたしが縁側で日向ぼっこをしていると、


祖母はよく、ビー玉やおはじきをくれた。









それらはあたしの手の平や縁側の茶色い板の上できらきらとくるくると



いつも眩しく輝いて――――

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