ビー玉
飽きるまでそれを見つめたり、手の平の上で転がしたり、はじいたりして遊んだ後、





あたしはそれらをお菓子のかんからにしまい込む。






まるで生まれたての赤ちゃんを扱うかのように、静かにそっと、





優しい動作で。











プラスチックの容器の中でぴかぴかと光るビー玉は


幼いあたしにとってものすごく綺麗で神聖なものだった。











祖母がビー玉をくれたその日から、お菓子のかんからはあたしの大切な宝石箱になって――――








あたしの秘密の宝物は静かにランドセルの奥にしまわれた。











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