ビー玉
あたしの祖母はとても物静かな人だった。






あたしたちは二人でいる時いつもほとんど会話をせずに過ごし、

庭で取れたスイカを冷やして食べた。









シャリ、とそのスイカをかじると口の中いっぱいに甘い果汁が広がった。












ゆっくりゆっくりと、部屋を流れる時間。






止まった空気の中で、柱の時計だけがボーン…と小さく時を刻む。











あたしは祖母と過ごすその時間が好きだったし、




祖母もまた、きっとそうだった。












< 6 / 69 >

この作品をシェア

pagetop