ビー玉
けんちゃんはとても素直な話し方をする男の子だった。






例えば


おなかがすけばすぐに

「あれが食べたい」と言うし、





落ち込んでいる時は、

「今、元気出ないんだ」と正直に言うし、




自分が悪いと思った時には、

「ごめんなさい…」とすぐに謝る…





という風に。







笑って、泣いて、喜んで、


怒って、泣いて、またすぐにぱっと笑って。








けんちゃんは何に対しても自分の気持ちに正直でまっすぐだった。










それは引っ込み思案のあたしにはとても出来ない芸当で、


けんちゃんのまっすぐな部分はいつも新鮮で眩しいものだった
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