シンデレラドリーム
シンデレラドリーム
ゴオオオォと言う、大きな音が耳をつんざく中で、
「気をつけて行ってきてね」
私は彼氏である慎を見送った。
ここは空港で、慎は1週間の海外出張なのだ。
スーツ姿の背中を見送ると、せっかくなので空港見学。
ところが、慣れないヒールを選んできてしまったせいでうっかり転んでしまった。
それもこの奥には何があるんだろう? と、やってきた狭い通路で人通りのあまり無い場所。
足はじくじく痛むし、靴は壊れてしまったし、頼みの慎は行ってしまったし、途方にくれて泣きそうになっていると、突然大きな影が私を包み込んだ。