シンデレラドリーム
大丈夫だと身振り手振りで知らせるも、ブラウンの瞳はこちらへと近づいてくる。
「ワタシハ ジャック。オーケー?」
「お、おっけー」
「ユーハ?」
「まりかで……す」
すっかりペースにのせられ自己紹介。
「マリカ、ゴー!」
そう言いながら彼は私に背中を向け、乗れと手で示す。
断らなきゃ、そう思うのにまだ痛む足。
不思議そうにこっちを見る優しいジャックの事が気になったのもあってどうしていいのか分からなく困っていると、当たり前のように私の壊れた靴を汚れることも気にせず鞄に入れ、私のバッグを肩に担ぐと再び背中を向ける。
きっと外国ではこういうの当たり前なんだ。自分に言い聞かせるとその背に手を伸ばした。