月のあかり
第3章 愛の儀式
5
「ねえ?」
ためいき色の霧の中で、ぼくを呼ぶ声がする。
ぼんやりと浮かび上がる女性の姿は、見覚えのあるシルエットだった。
「あかり?」
ぼくが返事をするように訊き返すと、シルエットの女性は首を横に振った。
やがて辺りを包んでいた霧が晴れると、そこに立っていたのは『あかり』そっくりの女の子だった。
「あかりだよね?」
そう尋ねると、彼女は再び首を横に振った。
「私は‥‥マイ」
「マイ?」
今度は縦にコクリと頷いた。
それはまさにあかりの仕草だった。
「あかりじゃないのかい?」
「ねえ?」
ためいき色の霧の中で、ぼくを呼ぶ声がする。
ぼんやりと浮かび上がる女性の姿は、見覚えのあるシルエットだった。
「あかり?」
ぼくが返事をするように訊き返すと、シルエットの女性は首を横に振った。
やがて辺りを包んでいた霧が晴れると、そこに立っていたのは『あかり』そっくりの女の子だった。
「あかりだよね?」
そう尋ねると、彼女は再び首を横に振った。
「私は‥‥マイ」
「マイ?」
今度は縦にコクリと頷いた。
それはまさにあかりの仕草だった。
「あかりじゃないのかい?」