月のあかり
「夢の中でも現実の世界でも、ずっと一緒にいよう」
ぼくの言葉に満央は頷き、「ふん」とハミングの返事をした。
ブラウスを脱ぎ捨てた満央の上半身は、この薄明かりの中でもはっきり分かるほど白く透き通る肌をしていた。
胸元はレースなどの無駄な装飾に覆われた下着ではなく、彼女のイメージそのままの、白地の至って簡素なものだった。
大胆に振る舞う今日の彼女の中に、やっぱり彼女らしい質素で奥床しい一面を確認出来た事が、ぼくはたまらなく嬉しかった。
そして、その下着に包まれた乳房との対面が待ち遠しくて、せっかちにも彼女の背中にすっと手を回し、ブラのホックをすんなりとはずした。
こぼれ落ちた二つの膨らみは、決して《巨》が付くような豊満さは無い。
けれども、そこに存在しているものは、艶やかな張りと柔らかさが渾然一体となった究極の完全体であり、地球外物質か何かの全知全能な神器を彷彿させた。
ぼくがその神器の先端にツンと突き出した乳頭部へ、軽くキスをしてから優しく口に含むと、満央は子猫のような声を漏らして仰け反った。
やがてジーパンも脱いだ満央はパンティ1枚になり、すらりと伸びた脚と太ももをぼくの脚に絡ませてくる。
すっかり息の荒くなった満央は突っ伏すようにぼくの全身に身を委ね、蛇のようにくねくねと身体を捩らせる。
また長く深いキスを交わしたあと、彼女は相手に奉仕することでさらに自らの興奮を高めているように、ぼくの首筋から胸板へと吐息を漏らしながらキスをしてくれた。
すでにこの時点で、ぼくらは性器そのものの挿入や愛撫と同等の、あるいはそれを超越した目の眩むような快楽と、官能的な興奮状態に没頭していた。