TABOO 短編集
「大好きだよ、瞬ちゃん」
私はいつだって、瞬ちゃんの一番のファンだよ。
瞬ちゃんが寝息を立てはじめると、付き人の繁さんが見計らったように戻ってきた。
「メイさんは精神安定剤ですね」
その声が、胸に苦く広がった。
自ら輝く代わりに恋人も作れず、安らげる場所もない瞬ちゃんは、弱るとこうやって私の元へやってくる。
決まったセリフを私に囁いて心を落ち着け、そして光の中に戻っていく。
メニュー