助けて
早紀がお風呂に入ってる事は、疾風は、気付かず野菜炒めをしてた。


シャッキっとした野菜に盛り付けられてある野菜炒め。


ありさが帰る時間を見計らって出来た熱々。


掃除が行き届いたリビングや寝室。


ピーンポーン

とチャイムが鳴りガチャガチャっと鍵で開けられた。

疾風は、28歳。


ありさより年下の長い睫毛に切れ長の瞳、形のいい唇、引き締まったお尻。

すらっと長くて程よい肉付きの足。


前髪が瞳にかかる長さの黒髪。


疾風は、玄関に近づいた。


ありさが玄関で、ロングブーツのファスナーを外してる傍に駆け寄った。


「ありさ、お帰り。
早紀ちゃんが我儘を言って、俺を困らせるようにしたから頬に叩いてしまった。
ありさの可愛い娘なのに本間にごめん。
俺、凄く反省してる」

と俯き加減でありさの顔をみずに疾風は、玄関先で言った。

反省をしてる風にみえるように疾風は、見せた。


虜にしてるから叩いた理由なんて聞かない。


ありさが早紀ちゃんに『我儘を言ったらダメでしょう』っと怒るだけ。


いつか義務でありさに触れないと怪しまれるから。


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