ぽるかLIVING
「…わかった降りる。」
渋々降りようとしてずるっ
足を滑らせた。
「あ…」
落ちると思った瞬間
温かいものにすっぽりと包まれた。
「危なかったね?大丈夫?」
びっくりした。
あたしがびっくりしているうちに、
あたしを抱きかかえてするりっと
木からその子は飛び降りた。
どきどきした。
怖かったけど、それよりなにより
抱きしめられた感触が初めての経験だったから。
その子はすとんと私を下ろすと
ニッコリと笑った。
「じゃあまたね!」
そう言って笑って行ってしまった。
あたしは、大きな声で問いかけた。
「お名前は?」
「アレク。」
走り去った向こうから大きな声が返ってきた。
「姫さま!見つけましたよ。」
侍女たちがワラワラとやってきて、
自分が隠れていたことに気がついた。
しまった~