ぽるかLIVING
「ウルル!」


樹の下から呼ぶいつもの低くて優しい声


「アレク?

 やだもう見つかっちゃったの?」


「お前なあ。いい加減卒業したらどうだ。

 じゃじゃ馬姫め、

 明日婚礼挙げる女性としての自覚はあるのか?」


「悔しかったら登ってきなさいよ。」


がささっと音がして

「おうよ!」

ひょっこりと首を出したかと思うと枝を掴んで

ぐいっと腕だけで私のところまでやってきてしまうアレク。


ああ、思い出した。


これと同じことが昔あったな。


あなたとの出会い

あなたとの運命の始まりだった。


「アレク大好き。」

「なんだよ急に。」

「ずっとずうっと大好きよ。」

「ばぁか。」

そう言って重なった唇は、

あの日遠い昔の、あの時のぬくもりと同じ。


明日、あなたの妻になります。





END









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