彼は優しかったのか、
切なさ01

田中杏子(あんず)は溜め息を吐いた。

最近、精神的に疲れているからだ。


「平安時代では...」

古典は好きだ。でも、頭には入ってこない。頭では別のことを考えている。

事実上、彼氏の宮崎昌史(まさし)のことだ。


「(付き合ってる、んだよね)」


うん、付き合ってる。この前だって、3ヶ月記念日のデートしたばっかだ。


「(じゃあ、昨日のは?)」


ガンガンと徐々に痛くなってくる頭痛に、少しだけ髪の毛を握った。ザリ、と特有の音がする。


────遡ること、昨日。



< 2 / 2 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop