恋愛コンプレックス

「わっ、悪かったな・・・」


私はそっぽを向いてそう言った。


「目、見ろよ」

「・・・は?」




「俺の目、見ろ」




その声があまりにも低かったものだから、私は長谷川の顔を見てしまった。



「・・・っ」


長谷川と目が合う。


目をそらせばいいのに、長谷川の瞳に捕われてそらせない。





ふと、こう思った。









────綺麗な、瞳。



< 105 / 374 >

この作品をシェア

pagetop