恋愛コンプレックス
人をここまで愛しくなったのは初めてだ。
俺は人を好きになっていいのだろうか。
人を信じてみてもいいのだろうか。
信じようか。
こいつを。
天瀬を。
雨にかき消されそうな
涙に消されそうな
あの声を─────。
『─────好きだっ・・・』
愛しい。
今
たまらなく天瀬が愛しい。
「はっ、長谷川」
天瀬が口を開いた。
「ん?」
「自惚れるぞ・・・」
「いいよ」
「はぁぁぁっ!?/////」
「ぷっ」
信じてみても
いいよな。
天瀬の言葉を。
この温もりを────。