恋愛コンプレックス
「・・・私だってテスト勉強したいんだから、雫に教える余裕はないんだよ」
「えぇ~!?嘘だよ!絶対めんどくさがってる!」
雫は私の腕をゆさゆさ動かしている。
「たしかにそうだが・・・。勉強しないといけないのは本当だから・・・」
「えぇ!?あっさり肯定かーい!」
ビシッと"なんでやねん"風に雫が叩いてくる。
「痛いから・・・。」
「見捨てないでよ~!!
一位の長谷川は絶対に教えてくれる気がしないし、頼れるのは梨乃だけなんだよ~!」
「・・・町田は?」
「・・・え。なんで町田?」
雫の顔がひきつっているのがわかった。
「・・・や。あいつ学年三位だし」
「そうなのー!?このクラスすげぇな!」
「・・・それは同感」
学年一、二、三位が集まるのはすごいと思う。
「ん~でも町田かぁ~町田ってさぁ、梨乃に惚れてるっぽくない?」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?ないないないない!」
これでもか、というほど首を横に振る。
第一
「少ししか話したことないし、好きになるのはないと思うぞ。」
本当にその通り。
まだ少ししか話してないし。
私のこと好きとかありえないだろ。
「でも~梨乃だって会って一ヶ月くらいで長谷川のこと好きになったじゃん」
うぐっ