恋愛コンプレックス
「えっ」
下を見ていた顔をあげると華恋がいた。
「南くんから聞いたんだけど、幼馴染みなんだって。小学校の時白羽さんが引っ越したらしくて・・・。
ちなみにその頃二人は両想いだったらしいよ」
「えぇ!?」
私はガタンッと立ち上がってしまった。
一気にみんなの視線が集まる。
「・・・え。ごめん・・・」
私は目を伏せがちにしながら座った。
どうしよう。
このままだと二人付き合ってしまうかも・・・。
夏休み抱き締めて貰ったとき、すこし期待したんだけどな。
『自惚れるぞ・・・。』
『いいよ』
あの言葉の意味はなんだったのだろうか。
からかってるとも言いがたいし・・・。
「あ、そうだ天瀬~!」
担任に呼び止められる。
「あ、はい」
「期末テストも近いし、白羽に勉強教えてやってくれるか?」
「・・・はい?」
は?は?
状況が掴めないぞ・・・?
「お前委員長だし、学年二位だし。ぴったりだと思うぞ!」
「いや。あの~・・・。私より長谷川が教えた方がいいんじゃないかと」
「なんでだ?」
しまったぁぁぁ!
墓穴を掘ってしまったぁぁぁぁぁ!!
「・・・や。知り合いみたいですし・・・あはは・・・」
日本語になっていない・・・!
「じゃあ、三人で勉強すればいいよな!いいよな長谷川~!」
私と担任の話し声はクラス全体に聞こえていたので、たぶん長谷川にも聞こえていたのだろう。
「・・・まぁ、いいですよ!美麗ですし」
長谷川はニッコリ微笑んだ。