恋愛コンプレックス



「っ離して・・・!」


どんなに力をいれても離してくれることは無くて。



やばい。






このままだと─────。





「おい」



頭上から男の声が聞こえてきた。






上を見ると




町田がいた。





「この子俺の連れなので。

行こっか。」





男の手を簡単に私の手から振り払って、少し離れたところに向かう。





「ま、町田・・・!?なんでここに・・・」



人も少し少なくなったところで、私も町田も立ち止まる。




「あはは・・・ごめん。

家族と来ててさ。それで天瀬さんが見えたから、つい・・・」




町田は申し訳なさそうに自分の頭をポリポリ掻く。




「・・・長谷川と、白羽さんと来てるの?」




ドクン




なぜかわからないけど、心臓が嫌な感じで大きな音を出す。





「あ、あぁ・・・」







すると町田は少し寂しそうな顔をして、こう言ったんだ。












「長谷川のこと・・・好きなの?」



















< 255 / 374 >

この作品をシェア

pagetop