恋愛コンプレックス
屋上につくと、雫が話始めた。
「今週の土曜さ!みんなで出掛けない?南も長谷川も一緒に!」
あぁ、やっぱり。
屋上に来るっていうことは、大抵こういう話なんだよな。
───・・・。
『好きなら好きでいいじゃん』
───ごめんね。
雫。華恋。
「私は、行かない」
一瞬、周りの時が止まったみたいだった。
二人は困惑してるようだけど華恋は
「あ、予定ない日とかほかにないかな?」
と言ってきた。
違う。
そうじゃなくて。
「私もう、長谷川のこと諦めるから」
その時、強い風が吹いた。
「どういう、こと?」
「梨乃・・・ちゃん?」
私は、座っている体制から立ち上がる。
「もう・・・無理なんだよ」
『いい加減諦めてよ』
うん。
無理。