恋愛コンプレックス
でも、そんな華恋の泣き顔を見ても何も思わない私って・・・。
酷いのかな。
酷いよね。
「梨乃!諦めないんじゃなかったの?ずっと好きでいるっていうのは嘘だった!?」
雫は立ち上がって、私の正面に来る。
私はずっとうつ向いたまま。
「ねぇ!答えてってば!」
雫は激しく私の肩を揺さぶってくる。
「なんで。
なんであんたなんかに指図されなきゃいけないの。私がどうしようと私の勝手だろ・・・?」
私がそう言うと、雫は床に座り込んでしまった。
私はそれさえも見過ごして
屋上の扉へと向かう。
すると手首を捕まれて
パシンッ
屋上に乾いた音が響いた。