恋愛コンプレックス

「うっわぁ~何あの子!モデルみてぇ~」

「髪の毛サラッサラじゃん!」


いちいちうるさい。




「なぁ、声かけてみろよ!」

「え~お前が声かけろよ。」


なんなんだ。登校中からとても不愉快。

これから高校の入学式だっていうのに。


「なんで俺が」

「いやいや俺無理だよ」



なんなの。噂してきて勝手にこそこそ話して。

うじうじしてるのが一番嫌いなんだよ。

女子かっつーの。


「な、なぁあのさぁ・・・」


やっと声かけてきたのかよ。

おっそ。迷惑なんですけど。


「・・・黙ってくんない?」

ボソッとつぶやいた。

それが男たちには聞こえてなかったようで。


「俺たちとこれからさ・・・「ごめんなさい。」


ばっさり男の会話を断ち切る。冷たく。

男が何も言えないように。


「これから入学式なので。すいません。」


男たちの機嫌を損ねないように

それでかつ、愛想がよくならないように。

我ながら絶妙な感じで断ってみた。



「えぇ~いいじゃん!入学式なんてさぼっちゃえば・・!?」







やっばい。めっちゃイライラしてきた。




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