恋愛コンプレックス

ごくっ



思わず息を飲む。







もう、話せなくなるかも、声を聞けなくなるかも。






そんな不安が頭をよぎって




私は走り出していた。






「は、長谷川!」




長谷川はこちらを見る。






・・・嫌悪感丸出しだし・・・。






「と、途中まで、一緒に帰らないか?」






「・・・いいけど」





私はうつ向いていたから、長谷川の顔は見えなかったが、きっと嫌そうな顔をしていたんだろうな。











「・・・」





「・・・」






「そ、それにしても駅一緒だったんだな!」





「・・・」





「お、驚いたな」





「・・・・」










< 324 / 374 >

この作品をシェア

pagetop