恋愛コンプレックス
ごくっ
思わず息を飲む。
もう、話せなくなるかも、声を聞けなくなるかも。
そんな不安が頭をよぎって
私は走り出していた。
「は、長谷川!」
長谷川はこちらを見る。
・・・嫌悪感丸出しだし・・・。
「と、途中まで、一緒に帰らないか?」
「・・・いいけど」
私はうつ向いていたから、長谷川の顔は見えなかったが、きっと嫌そうな顔をしていたんだろうな。
「・・・」
「・・・」
「そ、それにしても駅一緒だったんだな!」
「・・・」
「お、驚いたな」
「・・・・」