恋愛コンプレックス
「で、でも挨拶とかっていいよな!
・・・うちはお父さんもお母さんもいないから・・・」
「・・・は?」
長谷川はあっけにとられたような声をだした。
・・・は、なにいってるんだ私は。
今までだれにもいったことないのに。
幼稚園の頃に、交通事故で死んだ二人。
今までなんとか生きてきたけど
やっぱり羨ましい部分もあって。
「・・・・って、変な空気になるな。ごめん」
あはは、と笑ってみる。