恋愛コンプレックス
そんなことをもやもやと考えていると、いつの間にか南くんは教室からいなくなってしまっていた。
…ど、どうしよう!
…そう、そうだ!私から一緒に帰れるか誘ってみればいいんだ!
思い立った私は、一目散に走りだした。
「南くん!」
「…?」
南くんは何も言わずにこちらを向く。
「一緒に帰ろう」と言おうとしたけれど…
ん?
「南くん、どこか具合が悪いの…?」
顔がなんだか赤いような…。
そっと手を伸ばすと
パシンッ
「…!あ…ごめん…新島…」
「…あ…」
南くんは申し訳なさそうに目をそらした。