恋愛コンプレックス

「・・・はぁはぁ」

やっと着いた。電車にもいちおう乗り遅れないで済んだし。

入学式早々遅刻しないですんでよかった。



「おいそこの一年!」


男の人か?怒鳴るような声が聞こえた。


ポンッ


肩をたたかれた。



・・・・・私のようだ。

「なんでしょうか。」

振り返り、問いかける。

「なんだ?反抗してるのか?」

やば。


目つき悪いのはもとからだけど、目つけられたらめんどくさい。


「・・・ちがいますよ。つり目なんです。」


「・・・そうか。」


ところで、なんの用なんだ。


「その制服はどうした。」


・・・?



・・・あ。



木から落ちてそのままだった。

はたいてないや。


「・・・転びました。」


「じゃあなんではたかな・・・「忘れてました。急いでたんで。」




はっと我に返る。



いつもの癖で・・・相手は先生なんだが・・・。


「あ?」


先生の不機嫌な声が聞こえる。


やってしまった。
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