私と後輩くん。

 「まー、これで解散にしよーぜ。腹減った」

 颯太が首を左右に回しながら言うと元晴先輩はそれに賛成した。

 「だな。あ、でもちょっと待って。演劇部が公演を開くのは10月の文化祭の一回きり、全力で作り上げよう」

 実は演劇部は2年前に部活として認定されたばかり、あまり積極的な活動をしているわけでもなく、帰宅部のようになるわけでもなく、何故かみんなが集まる。

 「じゃあ、解散」

 お疲れ様でした、と皆口々に言い立ち上がる。
  
 「ゆずたん帰ろー」

 祐介が私の三つ編みをするりほどいてしまう。


 

 
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