あたしだけの温もり

チョコレート色の転校生

「ママぁ~、パパぁ~!」

「ハハ、侑珠希は元気だな!」

「全く、侑珠希・・・こっちへおいで・・・」

 _________ママ・・・パパ・・・。

「・・・希、侑珠・・・侑珠希・・・侑珠希ぃっ!」

 ハッ・・・

「侑珠希、起きましたか?」

「・・・千織?」

「もう朝ですよ!起きてください。遅刻しますよ?」

 カーテンの隙間から差し込む光・・・また、一夜が明けて、朝が来た。

「煩いな。分かってるってば」

「お母さんが朝食を作って待ってます。服を着替えたら下へ降りてきてくださいね」

 あたしは無言のまま頷いた。

 千織は少し微笑んで、部屋から出ていってしまった。

 あたしは重い身体を起こし、ベッドから出て部屋の角に置いてあるクローゼットの中から制服を取り出し、さっと着替えた。

 クローゼットの下の引き出しから靴下を取って、あたしは部屋を出た。
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