あたしだけの温もり
「わかってるわかってる」

「何もわかっていません!」

 千織は昔から心配性。

 すぐあたしを心配して助けてくれる。

 何度千織の優しさに、甘えてきたのかな・・・。

「千織、あたし・・・最近見るんだ、ママたちの夢」

 千織の眉が少し下がった。

「侑珠希の、ご両親・・・?」

「うん・・・夢の中でね、あたしの名前を何度も呼んで、あたしを抱っこしてくれて・・・顔は見えないけど、すごく優しそうな人たちなんだ・・・」

 あたしは目線を下に下げ、ただ歩行道を見つめた。

「侑珠希のご両親が、きっと侑珠希に会いに来てくれたんですよ?」

 千織はそっと、あたしを抱きしめてくれた。

 温かい、千織の温もりは、あたしの心も癒してくれた。

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