あたしだけの温もり
「私が侑珠希にしてあげられることはこれくらいしかないけど、でも!話なら沢山聞いてあげられるから・・・だから!もう少し私のこと、頼ってくださいよ・・・」

 千織はあたしの肩に顔を埋め、声を震わせて泣いていた。

「千織ってばもう!泣いちゃダメだよ!」

 あたしは自分の中の精一杯の笑顔を千織に向けて言った。

「侑珠希が抱え込んでいる辛さを、私も抱え込みたいんです!」

 こんな嬉しいことを言ってくれる千織を、あたしは障害、大切にしたい。

「千織、あたしはもう支えられてるよ?千織やおばさん、おじさんみんなに!あたしは支えられてるんだ・・・だから、もう十分なんだよ?」

 肩の上で泣く千織の髪を撫で、あたしは千織の肩を両手で掴んだ。

「ほら!早くしないと学校遅れちゃうよ!」

 あたしは千織の手を引っ張って、学校までの道を走った。

 校門の前には3人の先生が立っていて、玄関には2人の先生が立っていた。

「「おはようございます」」

 先生たちに挨拶し、あたしと千織は玄関で靴を履き替え、教室へ向かった。

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