アウトサイダー
その日は眠ることができなかった。
千島さんを思って、ではない。
太陽を……。
カーテンを少し開けると、その隙間から淡い月の光。
ボーッと空を眺めていると、勝手に涙が……。
会いたいよ、太陽。
もう一度、あなたに包まれたい。
それから、千島さんは今まで通り何度も遊びに来たけれど、私に返事を急かすことはなかった。
「ねぇ、紗知」
その状況にしびれを切らしたのは母だ。
「千島さんのこと、どうなのあなた?」
「えっ、いい人だと思うけど……」