アウトサイダー

「あー、こんなんじゃ、ますます好きになる」

「えっ?」

「紗知ちゃんの事。
紗知ちゃんがこんなに笑ってるの初めて見たけど、やっぱりかわいいし」

「えっ……そんな……」

「ダメ、かな」


ぬいぐるみの横から私の顔を覗き込んでそう言う彼は、とても真剣な顔をしていて。


どうしたらいいんだろう。

千島さんは、とても素敵な人。
私には、きっともったいないような人。

彼と付き合えば、コウさんも母も……。

思わず俯いた私に、「ごめん」と洩らした彼は、私からいるかを取り上げた。


「これ、なかなか抱き心地がよさそうじゃん。
今日から一緒に寝てあげて?」


そんな風に茶化して言う彼は、やっぱり大人の男。


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