アウトサイダー

彼との交際は、順調すぎるほどだった。

ほんの少しだけ、太陽への強烈すぎるほどの想いが薄れていくのが自分で分かった。
こうやって私は、彼を忘れていくんだ。

そして、それが一番いいんだ――。


3か月ほどして、初めて千島さんに抱かれた。


「怖い?」

「ううん、怖くなんて、ないです」


彼の部屋に遊びに行って、そのまま――。


ゆっくり、そして優しく私の体に触れる彼の手は、思ったよりずっと温かかった。


ただ体だけを貪った健の時とは違う。
目を閉じて、太陽を思ったあの時とは。


今はっきりと、千島さんに抱かれているんだと認識しながら、私は彼に溺れた。


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