アウトサイダー
「千島さん、素敵だよ」
思わずはしゃぐ私を、彼は目を細めて見つめる。
「紗知、子供みたい」
「えー、だって綺麗だもの」
「バカだな。そんな紗知が好きだってこと」
彼は時々こうやって不意打ちをする。
だけどその度にドキドキする私は、上手く彼のペースに乗せられているのかもしれない。
顔を赤らめる私をクスクス笑う彼は、途中のパーキングに車を入れた。
「ちょっと降りてみようか」
「はい!」
つかさず私の手をさっととって展望台まで足を進める彼は、頼りがいがある。
少し汗ばんだその大きな手は、私を守ってくれる。