アウトサイダー

「なぁ、紗知。ひとり暮らし本気か?」

「うん。だって私がいると、コウさんと母はいつまで経っても一緒にならなさそうなんだもん」

「そうだな」


あははと笑う彼は、次の瞬間すごく真剣な顔をする。


「紗知、一緒に住まないか?」


「えっ……」


「俺、紗知と一緒になりたいと思ってる。
だけど、紗知が仕事をしたいのも、わかってる。
だから、プロポーズはまだしない。

だけど、紗知を離したくない。ずっとそばにいたいんだ。
池森さんにはきちんと許可をもらう。
きっとお母さんだって、その方が安心するんじゃないのかな」


彼からの思わぬ申し出に、目を見開く。


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