アウトサイダー
「やっ……」
いつもの彼らしくなく、私の両手をギュッとつかんでベッドに押し付けた後、激しく腰を打ち付ける。
そして私は、それに応えようと必死になる。
彼がこんな抱き方をするのは、初めてだ。
髪を振り乱して悶える私を抱え上げた彼は、寝室に置かれている鏡に私たちの姿を映しだした。
「イヤっ」
「イヤじゃない。見てごらん?」
彼はそれを見せたかったのかもしれない。
確かに私たちがひとつになっているという事実を。
「紗知。俺、お前の子供が欲しい」
「――うん」
「いつか、な?」
その言葉に小さく頷いてみせると、彼は再び私をベッドに押し倒して、小さな呻き声と共に果てた。
そして私は……枕に顔を押し付けて、流れた涙をなかったことにした。
それが自分で選んだ未来なのだから。