アウトサイダー
その代り、仕事はいつまで経ってもただの手伝い。
皆こうした時期を過ごして一人前になっていくのだと、私は懸命に先輩たちの働く姿を追いかけた。
「永沢さん、クライアントからお電話です」
「サンキュ。紗知は休憩いいぞ?」
「はい」
オフィスの片隅にある休憩室は、私ひとりだった。
皆出払って、事務の人はもう休憩を済ませていたから。
そこで彬さんと同じお弁当を広げて携帯を手にすると、いつものようにメールが来ている。
今日は、ちょっと遅くなる。
御飯、先に食べててもいいぞ?
弁当のきんぴら、すごく美味かった。
そんな毎日のメールに、心癒される。
先になんて食べたりしない。
だって、彼と一緒の方が何倍も美味しいから。