アウトサイダー
彬さんは、もうお弁当を食べたんだ。
そう思いながら、少し甘めのきんぴらを口に放り込む。
「おっ、手作りか?」
「えっ、あっ……そうです」
その時突然入ってきたのは、永沢さんだった。
「俺もいい?」
「はい、もちろん」
そういえば、彼もお昼はまだだった。
「美味そうだなー、それ」
「食べますか?」
「おぉ、いいのか?」
そう言う彼は、コンビニの袋をぶら下げている。
「いつも、コンビニなんですか?」
「あー、うーんと、そう。紗知ん家みたいに家庭の事情で」
「えっ?」
「去年、奥さんとねー」
胸の前で小さくバツ印を作る彼に、驚いてしまった。