アウトサイダー
「過去に経験できなかったことを今更後悔したとしても、もう時間は戻ってこない。
それなら、想像すればいい。
子供の頃、本当は自分はどんな部屋が欲しかったのか。
どんな家庭が欲しかったのか。
空想は誰でもできる。
それを形にできるのが俺たちの仕事のすごいところだ。
俺たちは、他の人にはできないことをしてるんだぞ?」
永沢さんの言葉で目が覚めた。
そう。
太陽はその空想を現実にするためにこの道に進んだ。
あの頃――アウトサイダーだったあの頃――二人で住宅街を歩き回って、いろんな空想をふくらませたっけ。
天窓から入る太陽の光の下で、窓から入ってくる新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込みながら、その中ではしゃぐ自分たちと、その家族を。