アウトサイダー
「永沢さん、私……」
「ん?」
「ずっと、アウトサイダーだったんです」
「アウトサイダー?」
永沢さんが私の胸の内を聞きだして、気持ちを軽くしてくれようとしているのがわかった私は、思い切って口を開いた。
「はい。どこに行ってもよそ者でした。
どこに属することも許されず、どこにも私のいる場所はなかった。
なにも悪いことなんてしてないのに、いつも後ろ指差されていて。
だけど……」
「だけど?」
「たったひとり、私のいる場所を作ってくれた人がいました。
彼もまた、アウトサイダーでした」
「そうか……」
そう言ったっきり、彼は黙ってなにかを考えている。