アウトサイダー
「んっ……紗知っ」
彼は果てた後も、私を抱き寄せて離そうとしない。
まだ激しく高鳴る鼓動が互いに伝わってそれがまた、心地よくて。
厚い胸板をツーッと流れる一筋の汗が、どれだけ激しかったのか物語っていて少し恥ずかしい気がする。
「紗知、なにかあった?」
「えっ?」
彼の思わぬ質問に、ドクンと心臓が高鳴る。
「なんか、いつもと違うから」
「ううん。なににもないよ。彬さんに会いたかったの」
そんな風に嘘を吐く私は、彼に見透かされるのが怖くて彼の胸に顔をうずめた。