アウトサイダー
「すみません、ちょっとお手洗いに」
「おぉ、行って来い」
もうその場にいることができなくなった。
上手く息すらすえない。
太陽の顔をまともに見ることが……できない。
彬さんの存在を知られることに、激しく動揺している。
どうして……太陽とは終わったのに。
トイレの個室に入ると、鍵を閉めて茫然とする。
まさか、こんな形で……。
狭い世界だ。
同じような仕事をしていれば、こういうことだって考えられたはずなのに、少しもその可能性について考えなかったのは、もう会えるはずがないと思い込んでいたからなのか。