アウトサイダー
「どうしてって……恥ずかしかったから」
とっさに出た言葉は、あまりにも不自然だった。
「なんで?」
彼はじわじわ私を追いつめる。
あの優しかった瞳は、鋭く光って私を射る。
彼に嘘なんて通用するはずなどなかった。
だって私たちは……。
なにも言えずに目を泳がせると、太陽は大きな溜息を吐く。
「明日の7時」
「えっ?」
「駅前の噴水で待ってる」
「えっ、待って……」
「紗知が来るまで、ずっと待ってる」
それだけ言うと、彼は私を開放して席に戻っていった。