アウトサイダー
「紗知、ちゃんと食べろよ?」
あまり食の進まない私を、永沢さんが心配してくれる。
「あっ、はい。いただいています」
私とは違い余裕の顔の太陽は、あの時と変わらず大きな口でパスタを食べている。
それから仕事の話に戻った時、私はなんとなくホッとした。
太陽にこれ以上、なにも知られたくない。
「篠川君は、今回は?」
「それなりに手伝ってもらおうと思ってる。
なかなかセンスあるし、飲み込みも早い。
それに、早く1級に合格して戦力になってもらわないといけないしな。
そっちはひとりか?」
「いいや、池森に手伝わせるよ」
「えっ?」
私は驚いて思わず声を上げた。
だって、勉強のために連れてきてくれたのだとばかり思っていたから。