アウトサイダー

彬さんに抱きしめられながら眠る夜は、私を安心させた。
今までは――。

それなのに今は、彼の腕が私を包み込むたびに、罪悪感にさいなまれて、上手く眠ることができない。


こんなに大切にしてくれているのに、どうして別の人を想ってしまうの?
一番辛いときに、傍にいてくれたから?


彬さんの寝息が一定のリズムで響いてきたとき、私はそっとベッドを抜けだした。


太陽のあんな悲しげな声を初めて聞いた。

なにがあっても決してへこたれず、太陽はいつも私に弱さを見せなかった。
その彼が……あんなに辛そうに――。


そして、私も……太陽に抱きしめられた温もりから、抜け出せないでいた。


< 225 / 576 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop