アウトサイダー
第4章
それぞれの道
それから仕事が忙しくなった。
住宅地の計画もドンドン進んで、忙しい永沢さんの雑用をできるだけ引き受けるようにしていた。
いくつも図面が仕上がって、私はワクワクした。
図面から、そこに住む人の事を考えて。
それらはどれも永沢さんらしく個性的で、なおかつ住みやすさをじっくり考えられたものだった。
だけど、ストイックな永沢さんは、そのいくつかをボツにしていった。
家は一生ものだから、少しも妥協したくないと言って。
「紗知、悪いが……」
「はい?」
「ちょっと頼まれてくれるか?」
彼が私に差し出したのは、その住宅地に建てられる予定のコミュニティセンターの外観図。