アウトサイダー
すぐに対応してくれたのは、小柄で目の大きな可愛らしい女の子。
私より若いかもしれない。
「永沢建築事務所から来ました。斉藤さんにこれを」
「はい、お待ちください」
「いえ、お渡しいただければ……」
書類を置いて帰るつもりだったのに、彼女は奥へと入って行ってしまう。
「こちらにどうぞ」
パーテーションの向こうから顔を出してそう言ったのは……太陽だった。
「いえ、あのっ」
「百合、お茶を頼む」
私の言葉を遮ってそう言う彼に視線を合わせると、やっぱり強い力で見つめられるのを感じる。