アウトサイダー

帰り際に、頭を下げてくれた百合さんに、激しい嫉妬を抱く私。

私だって、彬さんがいるのに。
太陽にだって、そういう人がいたって……。



事務所に帰ると、永沢さんがコーヒーを飲んで休憩していた。


「紗知、サンキュ。
斉藤が残念がってたぞ? ランチデートを断られたって」

「いえ。お仕事の邪魔になると思って」

「なら、俺に付き合え。
俺もまだなんだ。腹減った」


永沢さんは私をそのまま連れ出して、近くのカフェに入った。


「なににする?」

「えっと……Aランチで」


ウエイトレスが注文を取っていった後、永沢さんは私の顔をじっと見る。



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